ニュース
2026年6月16日
ノリタケ株式会社
ガラス基板用研磨パッドの開発
~水のみで研磨可能、レアアースの使用量削減~
ノリタケ株式会社 (本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:東山 明、以下 ノリタケ) は、先端半導体パッケージ向けガラス基板の研磨工程において、水のみでの研磨を可能とし、研磨剤として使用されるレアアース酸化物である酸化セリウムの使用量を大幅に低減できる、ガラス基板用研磨パッド「AQUCERIA」を開発しました。本研磨パッドは、先端半導体パッケージ分野などの研磨加工において、廃棄物の削減や作業負荷の軽減に貢献します。
市場環境
ガラスはさまざまな分野で使用されており、近年ではAIサーバーなどの普及により、半導体パッケージの分野でもガラス基板のニーズが高まっています。同分野の半導体では、高速かつ効率的な処理が求められており、これに対応するため、3D実装やチップレット※1技術を活用し、高密度に集積させ相互接続する先端半導体パッケージの採用が進んでいます。こうした先端半導体パッケージでは、微細配線を高精度に形成するため、反りや寸法変化を抑えられる基板が重要であり、耐熱性や寸法安定性に優れたガラス基板の需要が高まっています。
ガラス基板の研磨工程における課題
ガラスを基板として加工する際には、表面を平坦化するために研磨を行います。一般的には、酸化セリウム (レアアース酸化物の一種) を含んだ研磨剤スラリーを硬質ウレタンなどのパッド上に流しながらガラス基板を研磨しますが、使用後の研磨剤スラリーは産業廃棄物となるため、使用量の低減が課題です。
ガラス基板用研磨パッド「AQUCERIA」の特長
ノリタケは、水のみで研磨が可能な、ガラス基板用研磨パッドを開発しました。これにより、研磨剤として用いられる酸化セリウムの使用量を大幅に低減できます。
本開発品は、ノリタケが保有する有機物と無機物を複合する独自技術を活用し、ガラス研磨用に適した有機物である樹脂の中に、無機物として酸化セリウムを内包させた構造としています。パッド内部には、研磨くずを効率的に排出させるための気孔も存在しており、ガラス研磨に最適な気孔サイズに設計しました。
① 酸化セリウムの使用量を従来比で90%削減
酸化セリウムをパッドに内包する構造としたことで、研磨剤スラリーを使用せず、水のみでの研磨が可能。これにより、産業廃棄物を90%削減※2。
パッド内の気孔サイズを最適化することで、加工中に酸化セリウムがパッドの表面へ安定的に供給される設計とし、これにより、水のみの研磨でも、研磨剤スラリーを使用する場合と同等以上の研磨速度と表面粗さを達成。
② 洗浄作業の負荷軽減
ガラス基板への研磨剤の付着量も大幅に低減されることから、研磨後の洗浄作業の負担が軽減。
本開発品は、先端半導体パッケージ向けガラス基板の研磨に加え、イメージセンサー、ハードディスク向けガラス基板や、光学ガラスの研磨など、幅広い用途への適用が可能です。なお、現時点で研磨可能な基板サイズは最大500mmです。
パッド構造と研磨加工のイメージ
※1 機能ごとに分割された小さなチップを組み合わせて1つの大規模チップのように動作させる技術。
※2 研磨剤スラリーによる研磨方式において、片面研磨機を使用し、研磨剤スラリーを10サイクル循環させた条件と比較した試算。
本件に関するお問い合わせ先
ノリタケ株式会社 広報室
TEL:052-561-7110 FAX:052-561-9721



